Amazon Goの衝撃!小売店の将来像

Amazon Goをご存知ですか?ECサイトのアマゾンがシアトルでオープンしている小売店です。

この店舗に衝撃を受けました。
というのも、「レジが無い」のです。
無人レジといったものは日本の小売店でも見かけるようになりました。ただ、無人とはいえ「レジ」という機器は店舗にあり、購入者はレジで「お会計」する必要がありますが、Amazon Goは「レジが無い」ので「お会計という行為」そのものが存在しないのです。
この一言では中々衝撃は伝わらないので、画像を交えて購入プロセスを振り返ってみます。

1)事前準備:アプリのインストール

お店に入る前にスマホにアプリをインストールし、支払い方法としてカード情報を設定します。
無論アプリは無料、店頭にはフリーのwifiがあるので、その場でインストール可能です。

2)ゲートを抜けて入場

ゲートにアプリのQRコードをタッチして店内に入ります。このゲートはオフィスの入場口のような設備です。

3)店内の品揃え

店内に入ると商品はコンビニのような品揃え。

コーラは70セント。
ニューヨークやサンフランシスコと比較して物価がだいぶ安い印象を受けました。

お弁当も沢山あります。
さすがアメリカ、プロテインフードコーナーが充実。

鶏のササミやゆで卵の白身だけなんてものもありました。

自宅での調理キットなども扱っています。
このままキットに食材が全てセットされていて、そのまま30分くらいで料理完成するキットです。人気だとか。

お店にはかごがないのですが代わりにAmazon Goの袋に商品を入れます。

何の変哲も無い袋、そこに購入したい商品を入れました。

4)レジはないけれども「無人」ではない
AmazonGoを無人店舗と思っている方も多いのですが、無人ではありません。商品の補充はスタッフの方が行なっております。


また、お酒購入にはID確認が必要なので、お酒のコーナーにはID確認の担当者がチェックしていました。

5)お会計??

ここからが衝撃的でした。

袋に入った商品を持って先ほどお店に入ったゲートからそのまま退場するのです。
誰も何も確認しません。そのままお店を出ます。

購入したものはプロテインフードとサラダ、コーラ。
お会計正しくできたのかな?と思っているとアプリに通知が来ます。何一つ間違えていません。滞在時間も表示されていますね。

これ凄くないですか?

お店に入って商品を手にとって退店するだけで購入が完了しているのです。
ローソンがセルフ決済サービスとして「ローソンスマホペイ」の実証実験をスタートしているというニュースを目にしました。
確かに「決済」というレジの部分は省かれていますが、その代わりに購入者がバーコードをスキャンするという従来の店員さんの決済業務を一部購入者に代行させるようなものであって消費者の労力は増している気がします。
(私がユーザーなら面倒で店員さんのいるコンビニに行くでしょう。)
その点Amazon Goは「お会計行為」そのものが無いのです。これは驚異的なオペレーション。

【Amazon Goの目指す姿:小売のプラットフォーム?】

現段階ではAmazon Goはシアトルのアマゾン本社の隣にあることから、テスト的な位置付けなのかもしれません。ただ、このソリューションが世界に展開された段階で日本のコンビニや小売のオペレーションは全て「アマゾンのソリューションの上に乗っかる」ことになるのでは無いでしょうか?

現にシステムの世界ではAWS(Amazon Web Services)というクラウドサービス上でシステムを動かすような作りが世界中の主流となりつつあります。これにより従来のシステムを実装する上で必要だったサーバーなどのインフラを自前で購入・保守する必要がなくなり、Amazonが提供するAWSというサービスを「利用」するだけで全てを補完できるようになりました。

【AWSの衝撃を小売にも持ち込む?】

昔は大きな資本がなければシステム開発・サービス提供が出来なかったITの世界がAmazonの提供するAWSを利用することで高品質な環境を「利用料課金」出来るようになったことでアイデアがあればどんどんサービスを立ち上げて事業をスタートすることが出来るようになりました。その結果大きなIT企業は多く人を抱えていることもあり価格弾力性に乏しく、世の中のITの潮流に置いていかれる状況になっています。この姿を小売の世界に重ねると
・レジのシステムは不要になる。
→アマゾンのサービスに利用料を支払うことになるので、POSを中心としたコンビニの強みがなくなる。レジそのものは不要。
・店員が削減される。
→人件費削減により商品価格削減が出来たり、店舗の利益率をあげることができる。
・アマゾンのサービスを使ってコンビニチェーンそのもの作ることが出来る
・もちろん商品MDなどの選定もデータに基づいて自動化され、本社機能もスリム化
なんて日が近づきつつあると思われます。決してこれは悪い意味ではなく、既存小売店も自前主義から脱却し、こうしたサービスと組むような日がくるのでは?と思いました。
そうなると最終的なオムニチャネルの勝者はAmazonになるようにも思えてきます。

【各種調査事業のご紹介】
一般社団法人ジャパンフードクリエイティブ協会では、世界中の食のトレンドを調査しています。
単に調査するだけではなく、分析やその背景、さらには考察と提言なども盛り込み、年間30都市近くで事業を行なっております。
オーダー型の調査・分析・レポート作成も行なっておりますので、是非お問い合わせくださいませ。

【海外リサーチ担当紹介】
一般社団法人ジャパンフードクリエイティブ協会
代表理事 データサイエンティスト 村田崇文
2005年青山学院大学経営学部卒業後、外資系コンサルティング会社であるアクセンチュア(accenture)株式会社東京オフィス入社、事業立ち上げやITプロジェクトマネジメントなど様々なプロジェクトに従事。その後株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)を経て2010年に「食のクリエイティブアウトソーシン事業」を展開する株式会社Paysanne設立、代表取締役(現任)
日本の食卓を世界の食卓へ、世界の食卓を日本の食卓へ広めることを理念として一般社団法人ジャパンフードクリエイティブ協会設立。代表理事(現任)
その他大学時代からの「渋谷のまちづくり研究」を現在も手掛け、NPO法人渋谷青山景観整備機構(SALF)の理事も務める。