業務用のお米の炊き方講座スタートします。

日本で飲食店を営む方上で欠かすことのできないお米。
この業務用のお米というものは一度に大量購入・大量炊飯したり、テイクアウト用であれば冷めることが前提であったり、お弁当の包材を容器ごとそのまま電子レンジで温めたりと自宅で炊いて食べることとは全く異なるプロセスを踏むのが「業務用のお米」です。ネットで検索するとご自宅で美味しく食べる食べ方であったり保存方法や炊飯器の使い方は多々情報が出てきますが、「業務用」となると情報がなかなかなく、「なんとなく炊いている」という方が多いのが現実です。
そんな業務用のお米を美味しく食べてもらえるような手法を日本の飲食カルチャーの中心地、渋谷・青山・原宿でお米屋を展開している唯一の「五ツ星お米マイスター」小池 理雄(こいけ ただお)が「業務用のお米講座」を開始します!
 
お店に届く時のお米の状態をご存知ですか?
飲食店では納品業者さん(我々のようなお米屋さんもあれば、業務用の食品問屋さん、業務用スーパーで買われているケースもありますよね)からお米が届いた際にそのまま倉庫に入れていたり、店内のバックヤードに置いていたりしていて中身を見ることはあまりなく、使う時に開けてすぐ使う、という方が大半だと思います。
もしお時間があれば一度開いてお米を見て見てください。

1.お米の粒の大きさは揃ってますか?
お米は粒がそろっているものが望ましいです。粒の大きさがそろっていないと粒ごとに水の浸漬スピードが異なるため、結果として炊飯ムラが出来てしまいます。

2.米粒が割れていたりしませんか?
米粒が割れていると、その割れているところからでんぷんが溶け出し、ごはんになった時のベチャつきにつながります。もし炊いた際にベチャつきが多いようであれば、割れていることに起因することがあります。割れが多い場合は、目が粗いザルにお米をあけて数回振るうといいでしょう。米粒の破片を取り除くことが出来ます。

3.お米の色は何色ですか?
真っ白なお米が含まれている場合は要注意です。これは玄米時には緑のお米であり、いわゆる「未熟米」です。これも炊飯時にベチャつきの原因になります。

4.黒い斑点は味には影響ありません。
黒い斑点があるお米がありますが、これは稲が実る際にカメムシが吸い付いた箇所です。味には影響ありませんので、もし含まれていたら手で取り除いてください。一般的に精米をする業者はこういったお米を取り除く機械がありますので、あまりに多い場合は一言伝えるといいでしょう。

5.茶色い塊も影響なしです。
白米に茶色い塊が含まれている場合がありますが、これは糠玉と言われるもので精米ラインにたまった糠の塊が紛れ込んだものです。炊飯や洗米工程で溶けてしまいますので特に気にされなくとも大丈夫です。

6.黄色(胚芽)が残っているときはよく研ぎましょう。
きれいに精米されておらず表面に糠が残っているお米は、長時間保温でごはんが黄色くなる場合があります。胚芽部分の黄色が残っている場合は精米が緩い可能性が高いです。黄ばみを緩和する方法の一つはよく研ぐことです。無洗米はこの工程をすでに施しているものになります。

浸漬(しんせき)してますか?
お米を水に浸すことを「浸漬(しんせき)」と呼びますが、どうしても店舗のオペレーションを考えるとこの時間を取るのは難しいところです。ランチの仕込みやディナーの仕込みを考えたら確かにどのタイミングでどうやれば良いのかわからないですよね。米粒に水を浸透させることで水を十分に米粒の中に行き渡らせて、でんぷんを十分にアルファー化させて美味しく、ふっくら炊き上がるこの浸漬(しんせき)は是非しっかり取り入れてお客様に美味しいお米を提供して行きましょう。

1.浸漬(しんせき)は冷たい水で。
水は冷たい水を使います。冬場は寒いですが、ここは譲らずに必ず冷たい水で行います。
冷たい水を使う理由は、低い温度から炊飯をスタートさせた方が「アミラーゼ」というでんぷんを糖化させる酵素が活発に動く温度帯が長く続くからです。

2.水道水よりはミネラルウォーターや浄水器の水で。飲食店ならオススメはブリタ。
日本の水は世界的に見ても珍しい「そのまま飲める」水なので、安心・安全ではありますが、浸漬(しんせき)ではミネラルウォーターや浄水器の水が理想的です。
しかしながら、飲食店の現場では原価を考えればミネラルウォーターを使うといったことは中々難しいですし、浄水器も設置していないケースの方が多いので「難しい」と思われる方が多いかと思います。
最近家電量販店(スーパーでも取り扱っていますが)で販売されているBRITA(ブリタ)を使うとミネラルウォーターや浄水器と同等(それ以上)の効果が得られます。
設備投資も必要なく、店舗で簡単に扱えて耐久性も高いので、是非取り入れて見てください。
お客様に提供するお水にももちろんご利用頂けます。

3.浸漬(しんせき)時間は最低60分
十分に米粒の中に水を浸透させ、飽和状態にさせるには漬ける時間は最低60分、出来れば120分が望ましいです。
お米はある程度水を吸い込んだらそれ以上は吸いませんので、これ以上の時間の浸漬でも大丈夫です。
但しあまりに長すぎると今度は米粒の表面が水に溶けて、炊飯時のベチャつきの原因になったり、夏だと雑菌が繁殖したりします。
出来れば10時間以内で留めておいた方が良いと思います。

4.しっかり浸漬(しんせき)すると原価低減に繋がります。
十分に水を吸い込んだ米粒は炊きあがりもふっくらとなり、炊き増えします。これによりお客様に提供するお椀の大きさは同じでも、そこに含まれるお米の分量は少なくなるので、原価としては低減します。

5.仕込み準備で出勤したらまず浸漬しましょう
お店での仕込みはガスの開栓から掃除など色々とやるべきことがありますので、この時間をぜひ浸漬の時間に充ててみてはいかがでしょうか?
仕込みの初回炊飯分を大きなボールに入れてラップをかぶせ、冷蔵庫に入れておくのが望ましいです。

【講座の紹介】
一般社団法人ジャパンフードクリエイティブ協会では、定期的に講座を開催しています。
食品メーカーのご担当者様や、外食産業の広報担当などの受講者様も多く、仕事の上ですぐに活用できるとの声を多数頂き、嬉しい限りです。
一日集中で、かなりの知識と実践を詰め込みますが、ご興味のある方は本サイトに適宜情報を発信しますのでご確認・お申込みくださいませ。

【講師の紹介】
一般社団法人ジャパンフードクリエイティブ協会
お米スペシャリスト 小池 理雄(こいけ ただお)
1971年東京・原宿生まれ。渋谷区神宮前育ち。小学校時代から家業である小池精米店の手伝いをしながら育つ。
明治大学卒業後、出版社に入社し編集者として勤務。その後、社会保険労務士の資格を取得し、人事制度コンサルティングファームに入社。
2006年、小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。渋谷・原宿地域で唯一の「五ツ星お米マイスター」