炊飯器具で味が変わる!”こだわり”の炊飯器具の選び方

お米が決まり無事に配達してもらえるようになりました!
さて、ここからがお店側の腕の見せ所です。お客様に美味しいご飯を食べてもらう準備に入ります。
その前にどのような炊飯器具をご用意されてますか?

炊飯器具と言っても電気炊飯器もあればガスの炊飯器、圧力釜やホーロー鍋、羽釜など様々な選択肢がありますよね。
厨房の広さや設備によって使えるもの、使えないものもありますが、炊飯器具の選び方を見ていきましょう。

【事前確認ポイント1:設備の確認】
1)直火でコンロを1つ使えますか?
圧力釜・ホーロー鍋・羽釜を使うのであれば直火のコンロを使うことになりますが、他の調理との兼ね合いは大丈夫でしょうか?オペレーション的に使えますか?
2)ガスコードをひけますか?
ガスの炊飯器を使うのであればガスコードと接続する必要があります。この点問題ないでしょうか?
3)炊飯器具を設置するのにスペースは十分ありますか?
設置する場所を確認しておきましょう。

【事前確認ポイント2:提供オペレーションの確認】
1)提供炊飯量は想定出来ていますか?
1度に炊く量を多くすればするほど釜の大きさも大きくなります。
2)仕込み・提供オペレーションを考慮していますか?
仕込みのタイミングやお客様へ提供するタイミングにより出来ること・出来ないことが出てきます。

上記2つの事前確認ポイントを踏まえた上で炊飯器具の選び方を確認していきましょう。

【ガス釜か?電気釜か?】
「ガスコードが引っ張れない、火災予防条例の点から置けない」という店舗物件の場合は選択の余地なく電気炊飯器になりますが、もしガス釜設置の制約条件をクリアすることが出来るのであれば何はともあれお薦めはガス釜です。その理由として
・釜全体に高熱を行き渡らせ、大量のお米をふっくら、しゃっきりと炊飯出来る。
・炊飯が終了したらガスが落ちる仕組みになっていますので、炊飯オペレーションも手間がかからない。

以上の2点からガス釜をおススメしています。

注意点としては下記2点です。
・蒸らし時間を確保すること
・ほぐしのタイミングを間違えないこと
注)ガス釜設置については可燃物からの距離が近いと火災の原因となることから、可燃物との距離などが火災予防条例で定められていますので、必ずお守りください。

【家庭用ガス釜か?業務用ガス釜か?】
どちらにするかはスペースに余裕があるかどうか、そして一度にどれだけ炊飯するのかによって変わってきます。
業務用のガス釜は比較的大きいのでスペース的に余裕が無い場合には厳しいですが、家庭用ですとそこまで大きくありません。
この辺りは提供数量とスペースを考えながら選定する必要があります。
<保温機能付きがおススメ>
最近はガス釜でも保温機能がついているものがあります。保温機能がないと別途保温用のジャーを購入する必要があり、ますます場所をふさぐので、保温機能付きのガス釜をご検討されるといいでしょう。

【電気釜の選び方】
場所や施設の問題からガス釜ではなく電気炊飯器となる場合ですが、もしお米を重視するのであれば最近はやりの高機能の電気炊飯器が良いでしょう。
最近の電気炊飯器には様々な機能があり、機能と値段の比較が分かりにくいですが、あえて簡潔にポイントを絞るとしたら下記2点です。
1)消費電力は1200W以上の機種。
これは家庭用に開発された炊飯器の消費電力は、一般家庭で1つのコンセントで使用できる1500wを超えないように設計されています。
この数字が大きいから火力が強いとは必ずしも言えませんが、その範囲内でいかにお米を高温で炊き上げるか各メーカーで工夫していますので、1200w近辺の数字が一つの目安になるのです。
2)水を浸漬させることを重視している
これはお米の甘みを引き出すことに繋がります。電気釜がお湯にする過程と浸漬する過程を同時に行うものよりも、別工程として捉えている機種の方がおススメです。

【圧力釜(圧力鍋)や土鍋・羽釜の選び方】
ガスコンロを炊飯で使用可能であれば選択肢は増えます。ただし、炊飯オペレーション上、火を点けている間はその場から離れにくいことや、誰でも出来るわけではなくそれ相応の技術が無ければ難しいといった点は店舗オペレーションの実態に合わせて考慮する必要があります。

1)圧力釜(圧力鍋)
圧力釜(圧力鍋)は炊飯時間が比較的短いことともっちりと仕上がることが特徴です。お米をもっちりとした食感に仕上げたい場合は圧力釜(圧力鍋)をお勧めします。
2)土鍋・羽釜など
上手に炊きあがった時の美味しさは、土鍋や羽釜はガス釜よりも米粒の甘みが強く感じることが出来ます。少量(1合や2合程度)のこだわりのお米を、その品種別の特徴を引き出してお客様にご提供したい場合は、小さめの土鍋やホーロー鍋、鉄鍋、羽釜などで1つ1つ直火で炊き上げることをお勧めします。
電気炊飯器では味の面でどうしても同じような仕上がりなりがちですが、こういった直火で炊飯する方法はお米の品種ごとの違いがはっきりと出ます。

【特にこだわりがない、消費量が少ない場合】
とりあえず炊ければ問題が無く、お米の消費量が少ない(1日の炊飯が1升=10合=約1.5kg=お茶碗23杯に満たない)場合は家庭用の電気炊飯器で、ワット数が少ないものを選べば十分でしょう。
※お茶碗1杯を150gとした際に必要なお米の量65gから試算しています。

【まとめ】
美味しさを追求する上でお米の品種や保存はもちろんのこと、炊き方の道具も非常に重要です。
ただ、設備・オペレーションの観点から選択する上での制約事項が意外と多かったりもします。
お店としてのポリシー・コンセプトと合わせながら色々と考えてみてください。

【講座の紹介】
一般社団法人ジャパンフードクリエイティブ協会では、定期的に講座を開催しています。
食品メーカーのご担当者様や、外食産業の広報担当などの受講者様も多く、仕事の上ですぐに活用できるとの声を多数頂き、嬉しい限りです。
一日集中で、かなりの知識と実践を詰め込みますが、ご興味のある方は本サイトに適宜情報を発信しますのでご確認・お申込みくださいませ。

【講師の紹介】
一般社団法人ジャパンフードクリエイティブ協会
お米スペシャリスト 小池 理雄(こいけ ただお)
1971年東京・原宿生まれ。渋谷区神宮前育ち。小学校時代から家業である小池精米店の手伝いをしながら育つ。
明治大学卒業後、出版社に入社し編集者として勤務。その後、社会保険労務士の資格を取得し、人事制度コンサルティングファームに入社。
2006年、小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。渋谷・原宿地域で唯一の「五ツ星お米マイスター」