店舗開業目的によってこんなに異なる!-飲食店開業までのプロセス1-②店舗営業目的の明確化

コンセプト明確化する上で「自分のやりたい店舗のイメージの洗い出し」がまずは重要になってきます。

ご参考:店舗イメージの洗い出しには売上・利益のイメージも必須-飲食店開業までのプロセス①コンセプト明確化

イメージを洗い出す際に単純にカフェをやりたい、居酒屋をやりたい、ではなく、
・こういった商品を販売したい。
・このくらいの価格で販売したい。
・店舗を週に何回あけたい。
・店舗の営業時間は何時から何時で行いたい。
・将来は数店舗持ちたい
・店舗はXX人のスタッフで回したい、もしくは店舗は身内で回したい
・自分が厨房に入りたい、もしくは自分はホールをやりたい、オーナーとなって人に任せたい
月商でXXX万円目指したい(数値で具体的にイメージすることが一番大事)
・利益はXX万円出したい(数値で具体的にイメージすることが一番大事)

こうした要素を考えながら店舗のイメージを明確化していきます。
その次のステップとしてイメージを具現化する上での店舗営業目的の明確化が必要です。

①-2.店舗営業目的の明確化

店舗営業の目的は千差万別です。ご相談を受ける中で多いものをケースとして挙げていきますと

  1. 全国展開を目指したい。
  2. 勉強、修行した経験を元にお店を開きたい。
  3. 海外で食べた(飲んだ)料理を広めたい。
  4. 定年後に夢だったお店を開いて楽しく営業したい。
  5. 地元の特産物を広めるような業態を展開したい。
  6. 会社の新規事業として展開したい。

等が挙げられます。
お店を開けるにしても上記の目的によって形体は全く変わってきます。自分が目指すべき店舗の営業目的はどのようなパターンでしょうか?
物件の立地や物件のサイズ、どんなメニューを提供しているかなど、実際に店舗を営業しているイメージを頭に浮かべて書き出してみてください。
実際協会に相談が多い6つのパターンを分類すると下記のようになります。

パターン1.全国展開を目指したい
全国展開を目指したいということであれば、最初から多店舗展開しやすいようにオペレーションや仕入れ、メニューを考える必要があります。

物件の立地:
今後の展開を見据えた立地を考慮する必要があります。出店計画と繋がってきます。

物件のサイズ
:席数に多少変動があったとしても厨房のサイズなどは共通性を意識する必要があります。

メニュー:多店舗展開を見据えた汎用性のあるメニューを組み立てる必要があります。

料理人を置いてこだわった調理技法を駆使して料理を提供する、といった属人的になりやすい手法では特定店舗ではうまくいっても多店舗展開時に導入・定着が上手くいきません
その一方、オペレーションをベースに組み立てることから加工品をベースとして組み立てることから、1商品辺りの原価率は安定することから、集客に注力することで利益を生み出しやすいものになります。

パターン2.勉強、修行した経験を元にお店を開きたい
全国展開を目指すパターン1と異なり、「自らの経験・キャラクターがブランディングそのもの」になります。その分多店舗展開が難しい側面もあることから、1店舗で独立採算がどれだけ自分のイメージにマッチするか、が大事です。

物件の立地まさに自分自身のキャラクターを具現化する立地になりますので、徹底的にこだわる必要があります。

物件のサイズ
:自分自身の経験がサービスの要となることから「自分自身の目が届くサイズ感」が重要です。

メニュー:
自らが表現したいものを思いっきり表現することを突き詰めることが一番の武器です。但し、自らの表現したいものを収益ベースにつなげる上では仕入れ先の確保・製造時間と提供価格のバランスなどを考慮する必要があります。

パターン3.海外で食べた(飲んだ)料理を広めたい
パターン2と類似した部分がありますが「海外で食べた(飲んだ)料理」を前面に押し出して展開していくことから「現地の料理の再現性と日本市場に受け入れられるためのカスタマイズ」が必要になります。

物件の立地:集客が期待できる立地に出店する必要があります。自らが美味しいと思って海外から持ち込んだとしてもその味が一般的に広く受け入れられるかは別です。
集客がある程度集まる立地を選択し、自分のセンスを問うといった姿勢での物件出店が必要になります。

物件のサイズ:非常に難しい判断のところですが、パターン2と同様に「自分自身の目が届くサイズ感」でまずは出店をスタートし、その後の展望を見極めることが求められます。

メニュー:パターン2同様ではありますが、自らが表現したいものを思いっきり表現することを突き詰めることが一番の武器です。但し、海外での味をそのまま日本に展開するにあたっては仕入れの難しさや調理の難しさ、職人スキルかつ味と自分の思いを理解しているを持った人材が必要であったりします。
自らの表現したいものを突き詰めるのか、市場を見据えてカスタマイズするのか、高度なバランス感覚が必要です。

パターン4.定年後に夢だったお店を開いて営業したい

最近非常に相談が多いパターンです。「身の丈にあった計画と実行」を行うことが求められます。
今までお客さんとして飲食店に接してきた方が多いことが特徴なので、じっくり準備して進める必要があります。

物件の立地:自分が夢として描いていたような立地があれば最適ですが、夢として描く立地の多くは映画や雑誌の世界のものが多く、現実的に条件にマッチした立地が無いものです。
楽しく営業することが目的であることから、通勤などが負担にならないような距離感での開業がポイントになります。

物件のサイズ:パターン2と同様に「自分自身の目が届くサイズ感」が重要です。そして楽しく営業するということは自分の趣味であったりこだわりを追求して展開することになると思いますので、そのサイズ感を考えると軽飲食可能といった物件を起点に探すことが最適です。
※軽飲食とは一般的に火力の強い機材はおけず、家庭の調理家電の延長での開業になります。
但し最近の家庭向け調理家電でも十分飲食店を営むことが可能なスペックが存在します。

メニュー:自分がこだわりたいもの以外は既製品を使うことで仕込みや準備の手間を下げる必要があります。多くの方が今まで飲食店を開業していない方が多く、このメニュー展開に頭を悩ませる方が多いですが、業務用卸売の展示会などに足を運ぶことで簡易なオペレーションでメニューの幅を広げることが可能なアイテムも多くあります。

パターン5.地元の特産物を広めるような業態を展開したい

仕入れ先に恵まれやすく、地域の特産品を活かすということで訴求しやすいお店づくりが可能です。その一方で、地元の特産物を「地元=地場」で展開するのか、「東京や大阪といった大都市圏」に出店するのかによって出店立地の異なる戦略が必要になります。
また、上記に起因してターゲットも異なることからより具体的なコンセプトを作る必要があります。

物件の立地:地元の特産物を「地元」で広めるのか、それとも東京や大阪といった大都市圏で「地元」を広めるのかによって大きく異なります。
「地元」で広めるのであれば観光客向けに展開するのか、それとも「地元」の方々向けに展開するのかによって価格帯や商品構成が異なります。
東京や大阪といった大都市圏で出店するのであればパターン1の方針で行くのか、パターン2の方針で行くのか軸を定めて展開していく必要があります。

物件のサイズ物件の立地と同様にパターン1の方針で展開するのか、パターン2の方針で展開するのかによって求められる物件のサイズは異なります。

メニュー:地元の特産物を特産物としての見せていく方針もあれば、素材の良さ・鮮度などを切り口として一般的なメニューに付加価値をつけて訴求する方針もあります。
立地とも整合と取りながら検討を進める必要があります。

パターン6.会社の新規事業として展開したい

異業種から新規事業として飲食店を展開したい、という相談も増えています。新規事業なので、事業計画があり、その計画を達成するための組み立てが必要になります。

物件の立地:事業計画としてどのくらいの規模・スピード感、展開をするかによって立地は大きく異なりますが、新規事業としてのPRも兼ねたアンテナショップ、フラッグシップ的な展開に相応しい立地での出店が多くなります。(東京であれば銀座や表参道、原宿、渋谷といったトレンドを生み出す場所)

物件のサイズ物件のサイズは展開したいメニュー、商品コンセプトによって大きく異なります。フラッグシップ的な立地であると家賃との兼ね合いになりますので、既に作成済みの計画に沿ってサイズを選定する必要があります。

メニュー:事業計画に基づき、数値を作るにはどうするか、インストアなのか、テイクアウトなのか、などを考えながらメニューのバランスを考慮して組み立てていきます。